株式会社Pale Blue(以下、当社)は、宇宙産業のコアとなるモビリティの創成のため、茨城県つくば市に水推進機の事業拡大に向けた「つくば生産技術開発拠点」を立ち上げます。また茨城県の補助制度「茨城県企業立地促進補助金」に採択され、約1.5億円の補助見込額となり、茨城県との連携も強化していきます。
近年、低コストかつ短期間で開発可能な小型衛星が登場したことで、世界の民間企業の宇宙産業への参入が増加し、ビジネス利用が急拡大しています。この中で中核をなす成長ドライバーが、複数の小型衛星を打ち上げてお互いに協調、連携させ、通信や地球観測等のサービスを提供する衛星コンステレーションです。衛星コンステレーションの実現には宇宙空間での複数の衛星の位置関係の調整が必要であり、加えて宇宙ゴミの抑制も行う必要があります。当社が開発してきた推進機は衛星コンステレーションにおいて必要不可欠な製品となっています。2023年3月における当社の水推進機の宇宙作動の成功をきっかけに、国内外の衛星事業者からの問い合わせが急増していることから、水推進機の事業拡大に向けた生産技術開発拠点を茨城県つくば市に立ち上げることを決定しました。
茨城県つくば市に約1,911m2の土地を購入し、生産技術開発のための拠点を建設します。新拠点では、人工衛星用推進機の量産型推進機の開発を行い、将来的な推進機の製造・試験・出荷につなげていきます。「つくば生産技術開発拠点」は、当社の「柏の葉研究開発拠点」との距離が近いため、生産技術開発と研究開発の密な連携と迅速な改善サイクルにより、付加価値の高い製品の早期実現と事業拡大が可能となります。
茨城県つくば市の選定理由として、当社の「柏の葉研究開発拠点」との近さ、宇宙関連やメーカー等での業務経験を持つ人材のポテンシャルの高さが挙げられます。また、つくばエクスプレス 万博記念公園駅が最寄り駅にあることや圏央道へのアクセスが良いという交通アクセスの良さ、拠点周辺地域が商業施設の建設などを予定している開発予定地域となっていることで働きやすい周辺環境が期待される点も選定の大きな理由となりました。
・茨城県およびつくば市
当社のミッションである「人類の可能性を拡げ続ける」を達成するためには、事業を通じた地域経済への貢献や地域の持続的成長が重要であると考えています。水推進機の量産に向けた技術開発を実施するうえでの、雇用の維持創出、投資の拡大により、地域経済に貢献していきます。
今回採択された茨城県企業立地促進補助金は、成長産業の本社や本社機能の茨城県への移転に対する補助制度です。本補助金により、当社は新たな拠点を立ち上げ、事業拡大を加速します。
・東京計器株式会社
推進機の量産技術確立に向けた研究開発における、推進機の量産試作機サブシステムの製造組立を実施します。詳しくは、既に発表しているプレスリリースをご覧ください:https://pale-blue.co.jp/jpn_news/388/
今回、持続可能な宇宙開発に取り組むベンチャー企業として国内外から高い評価を受けている株式会社Pale Blueが、小型人工衛星用推進機の商用・実用化の研究開発拠点として茨城県を選んでいただき心より感謝申し上げます。本県では、つくばの研究集積を活かし、国やJAXAとの連携の下で「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」を立ち上げ、支援体制の構築などに取り組んでおります。特に、宇宙ベンチャー企業の誘致に力を入れており、世界に誇る宇宙ビジネス拠点の形成を目指しております。このような中、同社には、本県を拠点に世界の宇宙産業をリードする企業としてさらに発展されることを期待しております。
小型衛星の利用拡大、及び宇宙ゴミの低減のためには、宇宙空間で衛星を能動的に動かすための推進機、つまりはモビリティが必要不可欠です。当社は、宇宙産業のコアとなるモビリティの創成のため、茨城県つくば市に水推進機の生産技術開発拠点を立ち上げます。「茨城県企業立地促進補助金」の採択と茨城県との連携により力強い支援を得ながら、柏の葉研究開発拠点と連携し、事業拡大に向けた体制を構築します。新たな雇用と投資を通じて茨城県の経済発展にも貢献しつつ、国内外で更なる飛躍を目指します。
Pale Blueは、2020年に創業した東京大学発の宇宙スタートアップです。安全無毒である「水」を推進剤とした持続可能な小型衛星用推進機の技術革新および社会実装に取り組んでいます。今後の社会インフラの鍵を担う⼩型衛星の実⽤化に向けて、最大の課題となっている推進機に技術革新を起こすことで、宇宙産業のコアとなるモビリティを創成し、人類の可能性を拡げ続けます。
株式会社Pale Blue 広報:奥原
メールアドレス:pr@pale-blue.co.jp