
株式会社Pale Blue(以下Pale Blue)は、小型衛星ミッションの多様なニーズに対応するため、推進機のラインナップに新たに2機種を展開します。高推力・高比推力を兼ね備えた小型ホールスラスタ(推進機)「PBH-100」、そして低電力・高推力を実現したレジストジェットスラスタ(推進機)「PBR-30」です。

近年、コンステレーションをはじめとした小型衛星の実利用の本格化に伴って、衛星ミッション機器の作動時間を最大化したいという需要が高まっています。多くの場合、衛星ミッション機器と推進機を同時に作動させることはできないため、推進機の起動から作動終了までの時間を最小化することが、衛星運用の効率化に不可欠となっています。PBH-100に搭載されたマイクロ波カソード(※1)は、従来の小型衛星向けのホールスラスタの課題であった起動の遅さを解消し、瞬時かつ高効率な運用を可能にします。高い信頼性を持つ日本独自のマイクロ波カソード技術を用いた推進機を小型衛星市場に提供することで、ミッションの成功率と運用効率の向上に貢献します。
・国立研究開発法人・宇宙航空研究開発機構(JAXA)の複数の衛星ミッションでも用いられた日本独自のマイクロ波カソード技術を採用することで、従来の小型衛星向けのカソード技術を用いたホールスラスタと比べて起動速度を大幅に短縮
・高い推力と高い比推力を両立し、幅広いデルタV(※2)要求に対応が可能
・主に50kg~200kg級の小型衛星を対象
・コンパクトなシステム設計
・推進剤を充填した状態で出荷するため、射場での推進剤充填作業が不要
・要望に応じて部品の配置や取り付け方等を変更し、多様な衛星に柔軟に対応
詳細はこちら: https://pale-blue.co.jp/jpn/product/pbh-100/
・軌道上実績のあるPale Blueのレジストジェットスラスタ技術を踏襲
・主に30kg~50kg級の小型衛星を対象
・低消費電力かつ高推力な推進機
・投入電力を変更することで推力の調整が可能(最小投入電力10W、推力3mNから最大投入電力35W、推力12mN)
・素早い起動による高効率な運用が可能
・2U(※3)サイズのコンパクトな一体型設計
・推進剤を充填した状態で出荷するため、射場での推進剤充填作業が不要
・タンクの大きさ等をオーダーメイドで変更し、幅広いデルタV要求に対応が可能
詳細はこちら:https://pale-blue.co.jp/jpn/product/pbr-30/
(※1)マイクロ波カソード技術・・・JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」を通じて世界で初めて宇宙実証された電子源です。マイクロ波放電によりプラズマを生成し電子ビームを出します。
(※2)デルタV・・・宇宙での移動において、目的地に行くまでに必要な速度の変化量
(※3)2U・・・1Uは3辺が10cmの立方体で、その2つ分程度の大きさ
Pale Blueは2025年11月18~20日にドイツ・ブレーメンで開催される展示会 Space Tech Expo Europeにてブースを出展し、新製品「PBH-100」「PBR-30」を含めた最新情報や導入事例をご紹介いたします。ぜひPale Blueのブース(第4ホールC36)にお立ち寄りください。
Pale Blueは小型衛星向けの推進機 (エンジン) を開発・製造し、世界中の衛星事業者に提供しています。2020年の創業以降、水を用いた推進機の宇宙作動に複数回成功しており、信頼性の高いソリューションを提供しています。更なる製品ラインナップ拡充のための研究開発や宇宙実証を行うと同時に、生産体制も強化し、拡大する推進機の需要に応えています。Pale Blueは宇宙産業のコアとなるモビリティを創成し、次世代の宇宙開発を牽引していきます。
ウェブサイト:https://pale-blue.co.jp/jpn/
株式会社Pale Blue 広報担当
メールアドレス:pr@pale-blue.co.jp